金の切れ目は縁の切れ目
「金の切れ目は縁の切れ目」は、精神的な問題であるように思う。
男性は仕事にステータスを感じている。
お金を稼いでいることは、その地位の証明だ。
これを奪われことは、自己の尊厳を失う。
そうなると、性格が変わる。
自分が知っている人で無くなる。別人になる。
別人になっても、元の彼に戻るのを支えたいと思う人もいる。
大事な時に支えてやれないなんて、冷たい人だと思っていた。
実際自分の身になって、初めて分かった。
私は、出来なかった。
飄々としていた彼が、おどおどして犬のような目で私の動向を伺うようになって
嫌になった。
全てが嫌になった。息の音、鼻をすする音、体臭、全て気持ち悪くなった。
今まで、彼のことを一度もそんな風に思ったことは無かった。ずっと仲良かった。
唯一の生涯の友人だと思っていた。
自分のその反応、変わりようも恐ろしかった。
元々職人気質で人に馴染むのが極端に苦手だった彼は再就職に難航した。
職探しもハローワークに毎日通うだけだった。
それよりネッなど別の方法をアドバイスしたが、全く聞く耳持たなかった。
ハローワークに良い案件は落ちてない、と何度も言ったけれど、無駄だった。
彼は全ての事の頑固に拍車がかかり、私はさらに嫌いになった。
半年後、彼は何とかアルバイトの職についた。年収は100万程度になった。
仕事を覚えるのも大変で、1年を迎える頃にようやく慣れたようだった。
そこで、昔の彼に戻った。
私の彼に対する気持ちも落ち着いたけれど、仲良しには戻れない。
自分の心の変化が恐ろしい。お金は怖い。
もちろん、単純に贅沢出来ないのが嫌になる場合もあると思う。
常にお金の心配をしながら買い物をするのは辛いからね。