おたくなんて畏れおおい

アニメ好きな人が「おたく」とは限らないのだよ。

3月のライオン

アニメ化を機に漫画を読んだのですが、面白くて面白くて、延々読んでます。


アニメ化前の話なので、ネタバレ注意。

ループで読んでいるのが、10巻から最新刊までのお父さん対決。何度読んでもぐっとくる。
零ちゃんの敵とみなした相手への攻撃が容赦ない。
情けをかける必要を感じない父ではあるけれど、生身の初対面の相手に、あんな直接的な言葉をぶつけることは出来ないと思う。
目の前に心を持った人間がいると思うと、私はやはり言葉を選んでしまう。
後になって、言ってやれば良かったと打ち震えるけれど、その時は言えない。

それを大事な人を守るために正面切ってやりあう零ちゃんはカッコイイ。

でも、それだけ戦ってきたのだ、というおじいちゃんの言葉にハッとさせられた。
カッコイイなんて可愛らしい言葉じゃない。血を吐きながら立ち向かってここまで来たのだ。

父は同じような行為を繰り返してきても、こんなに最後まで押し切られたのは初めてだったのかもしれない。喫茶店を去る零ちゃんに放った言葉が「クズ」。
叩きのめされた時に出た言葉は、自分へのブーメラン。
気づいてなくても、彼にとって一番身近な罵りの言葉だったのかもしれない。

シリアスな話の中に挟まれる先輩と先生の存在が、零ちゃんのを支えになっている。少しの笑いを運んでくるのもとても好き。「妻子捨男」ってネーミングセンスが素晴らしすぎる。

先生の「満を持しての桐山」って言葉も、笑いにはなってるけれど、彼を見守り続け、向き合ってきた時間が読んでる私たちにも伝わってきて、とても嬉しかった。

その後の零ちゃんの暴走が、文字通り「空気読めない」行動に繋がっていくのも面白かった。ひなちゃんに伝わらなかったし、ストーリー上で取り上げられなかったけれど、「大好き」「たよりになる」と言われた零ちゃんは、また変わったと思う。

でも、今から恋愛展開するのならば、想像以上に完結が遠いのですね…。

久しぶりに二階堂君が絡んでくれたのも嬉しかったけれど、零ちゃんが少しの躊躇もなく二階堂くんに電話したのが何より嬉しかった。

 

女としては、おばさんと看護師さんの会話。
「男はどんなに酷い捨て方をしても、女性はまだ自分の事を好きだと思っている」ってなぜか信じてるのよね~、に激しく同意!
「実は、よりを戻したいと思ってるに違いない」とかさ。

いやいや、有り得ませんから。